2014-10-01から1ヶ月間の記事一覧

出身地は試験管です

部屋の隅にあるソファーを中心に構築された世界も残り数時間で毛布に包まれ終わりを告げる。 部屋を片付けては来客。片付けては来客。 『瞬間の連続を生きる』という刹那主義に殉じる者は部屋中を縦横無尽に駆け巡り、 東にゆで卵がフィギュアの混ぜる悪戯を…

まともがわからない

モツ煮込みに入れる野菜を購入する為、最寄りのコンビニに入る。 惣菜の冷蔵コーナーを物色し、目的が達成できないことを知る。 悲しみは、本来の目的を連れ去り食欲だけを残し、 私はインスタントラーメンの前に立ち尽くす。 義務教育が施された脳みそがカ…

弱P・弱P・←・弱K・強P

目薬はなぜこんなにも姿を消すのか。 死期を悟った猫は自ら姿を消すが目薬。 母子家庭で育ち、母親と再婚相手に邪魔者扱いされ、早熟した自意識で援助交際に走る女子中学生もよく自宅から姿を消すが目薬。 一度、所有するこは喪失感を伴うもので、その寂しさ…

地方都市国道交響曲

在京時、勤めていた会社の同僚が東京の中間である茨城県の日立市に出張するとの連絡を受け、遊びに行くことになった。 つい先日、購入したての車へ満タンのガソリン。 車内をディスコに変えるトランスミッター。 常温に近い軟水。 疲れ目にはロートGOLD40…

福島県の温泉街の地に300年の伝統有り。 最大の見せ場は、屋台のぶつかり合い。 夜を貫く怒号と大地を揺るがす太鼓。 血に呼ばれ喧嘩祭りに参戦した。 戦に備え腹ごしらえ。 細タバコ常習者の焼きそば。 宵も深まり温泉街に、ぼうぼうと独特の雰囲気が立…

青のり

青のりと海苔の違いは形状によるものらしい。 形を失うことで名前も失うのだろうか。 人は二度死ぬという、心臓が活動を終えた瞬間と、人に忘れられた瞬間。 前歯の上で死んだ青のり、私の体の一部となった青のり。 これから『私』として生きていく青のり。 …